2025/10/10
当社のDX推進の取り組み
株式会社いかるが牛乳は、「暮らしをより豊かに、健康的に。」をモットーに、お客様に安全で良質な商品、サービスを提供することに努めてまいりました。昨今、消費者の健康志向の高まりや食品の安全性への関心向上に伴い、食品メーカーに対する「安全・安心」への期待は一層高まっています。また、少子高齢化に伴う人手不足を背景に、社会全体として働き方の早急な見直しと改善が求められています。
こうした変化の中で当社は、今後も安全で良質な商品、サービスを提供していくために、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていきます。当社では、日々の業務に対して「この作業は本当に必要か」「デジタル技術で改善できる余地はないか」と問い直す習慣を持つよう進めていきます。それにより、業務の正確性や処理速度の向上を促し、創出された時間を、お客様の暮らしがより豊かになる商品、サービスの提供を目指すための取り組みへとつなげていきます。
デジタル技術で未来を創る
1. 情報の一元化
デジタル化・情報共有
- これまで紙ベースで記録、保管されてきた様々なリソースをデジタル化し、グループウェア上で管理することで、社内の情報共有スピードを飛躍的に向上させ、連絡漏れや情報伝達時間を短縮します。
データ利活用(可視化・分析)
- グループウェアに集約された「顧客の声」や「営業活動履歴」、日々の「在庫・配送状況」などのデータを、専用のダッシュボードで部門横断的に可視化・分析します。
- 担当者個人の経験則に頼っていた判断を改め、過去の問い合わせ傾向やトラブル事例などのデータに基づいた迅速かつ的確な意思決定(例:繁忙期の配送ルート事前最適化、顧客要望への先行提案)を行う体制を構築します。
顧客価値への貢献
- 迅速な情報共有により意思決定のスピードが向上し、お客様からのご要望や仕様変更に対して素早く対応できるようになり、お客様のビジネススピードに貢献してまいります。
2. 業務の自動化
自動化と効率化
- 発注の取り込み等、日々のルーティン業務をRPA技術を活用して自動化することで、業務効率と正確性の向上を実現します。
リスク削減
- 従来手作業による入力ミスで発生していた納期遅延や誤出荷のリスクを削減し、お客様への確実な納品体制を強化します。
データ利活用(予測・最適化)
- RPAによってデジタルデータとして処理・蓄積された「日々の受発注データ」を時系列で分析します。
- このデータを活用することで、特定の時期や顧客ごとの「発注の波」や「突発的な需要変動」を予測・検知することが可能になります。これを配送手配や在庫補充の計画にフィードバックすることで、欠品や納期遅延を未然に防ぐ「データに基づくサプライチェーン管理」を実現します。
付加価値業務へのシフト
- 自動化により創出された時間を、分析結果を用いた提案活動などの付加価値業務にシフトすることで、よりきめ細やかなサービス提供と、お客様の課題解決に注力できる体制を実現します。
3. データ利活用基盤のクラウド移行
IT基盤の移行とBCP
- 勤怠管理システムをはじめ、重要書類について、従来の紙媒体からクラウド型サービスへ切り替えます。これにより、IT環境を整備するだけでなく、BCP(事業継続計画)対策を強化し、災害時においても重要なデータを確実に保護するとともに、迅速な業務復旧が可能な体制を構築します。
データ利活用(人材・組織)
- クラウドに一元化された正確な「労働時間データ」と「人事属性データ」を掛け合わせて分析します。
- 具体的には、部門・役職ごとの残業傾向と離職率の相関分析などを行い、過重労働の兆候を早期に検知してアラートを出す仕組みや、データに基づいた人員配置の最適化を実現します。
組織力強化による顧客貢献
- コンプライアンス遵守と労働環境の改善により、業務に精通した熟練社員の離職を防ぎます(定着率向上)。
- これにより、「担当者が頻繁に変わることによるコミュニケーションコストの増加」や「経験不足による品質低下」を防ぎ、いつもの担当者が、お客様の事情を深く理解した上で安定したサービスと商品を供給し続ける体制を整えます。
【DXチームの設立】
当社では、各部署から選出された担当者で構成されるDXチームを設立いたしました。各々が所属する部署のDX課題の解決を進めるとともに、部署間での連携を深めることで、全社でのDX推進を図ります。この体制により、各部署の実情に応じた効果的なDX施策の立案と実行を可能にしています。
【人材育成の取り組み】
デジタル技術に詳しい人が中心となり、AIやRPAなどの最新技術の情報を、社内で積極的に共有しております。また、グループウェアと連携して使用するノーコードツールの利用を社内で推進しています。社員が、それぞれの業務に適したアプリケーションを作成、利用することで、DXによる業務改善を実感できるような環境づくりを目指しています。
① グループウェア基盤の構築
情報共有機能を目的とし、デスクネッツネオ(desknet’s NEO)グループウェアシステムを導入いたしました。当該システムにより、組織内における情報流通の円滑化及び業務プロセスの標準化を実現しております。
② 業務自動化基盤の整備
定型業務の自動化を推進するため、Microsoft Power Automate Desktopを導入し、RPA環境を構築、またノーコードツールを利用した、業務アプリの作成を行います。同ツールの活用により、反復的業務の自動実行体制を確立し、業務効率の飛躍的向上を図ります。
③ 勤怠管理システムの構築
従来の紙媒体による勤怠管理から脱却し、サイバーエクシード勤怠管理システムを導入いたします。同システムにより、勤怠情報の電子化及びリアルタイム処理を実現し、労務管理を推進いたします。
④ 組織体制の整備
各部署よりDX担当者を選出し、部門横断的なDX推進チームを編成いたします。当該チームは、部門間の垣根を越えた視点での課題抽出及び解決策の立案を担い、全社的なDX推進の中核的役割を果たします。
⑤ DX人材育成プログラムの実施
DX推進に必要な知識及び技能の習得を目的とし、外部専門講師による月次研修プログラムを実施いたします。当該研修により、DX担当者のITリテラシー向上及び最新技術動向の習得を図り、継続的な人材育成体制を確立いたします。
DXの取り組みの成果を測るため、以下の指標を設定しています。
| 指標の項目 | 具体的な目標 |
|---|---|
| 情報の一元化 |
定量指標
定性指標
|
| 業務の自動化 |
定量指標
定性指標
|
| データ利活用基盤のクラウド移行 |
定量指標
定性指標
|
株式会社いかるが牛乳では、お客様により安全で良質な商品、サービスをお届けするために、全社的にDXの取り組みを進めて行きます。昨今、食品メーカーに対する「安心、安全」への期待はますます高まっています。また、人手不足を背景に、企業は社員一人ひとりの働き方についても、変革が求められています。
このような中でも、お客様の暮らしをより豊かに、健康的にするために、社員一人ひとりが、DXによる業務改善の意識を持つ企業を目指していきます。様々な業務を、各部署に根付いた形で、より効率的に、よりミスが少なくなるよう改革していくことで、日々の業務負担の軽減につなげます。そこで創出された時間を、お客様の暮らしがより豊かになる商品、サービスの提供を目指すための取り組みへとつなげていきます。
株式会社いかるが牛乳
代表取締役 鵤 照